8. 設立の趣旨

学校教育研究所設立の趣旨

昭和58年4月1日

 教育の重要性と充実振興が指摘されて久しい。教育は家庭から始まり、一般社会の影響を受けつつ、学校、職場と広がっていく。その多様な教育の中核となり基礎となるのは、計画的・組織的な学校教育、特に初等、中等教育である。ところが、その初等・中等の学校教育が停滞し、荒廃してその機能を失ったような悲しむべき状況を私たちは眼にしている。

 家庭教育、大人の価値観、情報と文化、学校制度、学歴社会、受験戦争等の問題、教育行政、学校の組織運営、教育課程の問題等々、実情は極めて複雑である。しかし、具体的に基本的な面から手をつけなければ問題は解決されないのも事実である。

 私たちは、学校教育の歴史、私たちの教育経験、学校教育の現状等より、学校教育は教師と子供との関係、相対関係と考えて実践することが基本であり、教育内容も教育方法も、或はまた学校、学級運営も、この関係として捉えなければならないと思うのである。教師と子供の相対関係を絶てば、教育という機能は本質的には作動せず、人間を無視して経営が独り歩きしても、人間関係を無視して管理機能が強行されても不毛であり、学校教育はただ形骸化していくだけであろう。

 教師と子供の人間関係として学校教育を見直し、その在り方について具体的に、学校に、家庭に、或は地域又は一般社会に提言し、更に実践への浸透を図るには、行政や企業等から離れた自由な柔軟性のある発想と思索、不偏不党の経験と実践を通しての調査研究は必要欠くべからざるものである。本研究所を設立する意味もここにある。

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